定性調査と言えば、グループインタビューを真っ先に頭に思い浮かべる方も多いはずです。そのグループインタビューに欠かせないのがモデレーターです。
元々、形容詞のモデレート(moderate)は「節度のある」「穏健な」という意味合いで、動詞のモデレート(moderate)は「節制する」「やわらげる」という意味です。そこから「調停役を務める」「議長を務める」という意味に転じたと考えられます。
モデレーターとはグループインタビューの司会進行役であり、また、グループインタビューの参加者へのインタビューアーであり、参加者の発言を促しながらも参加者の発言のバランスをとる(特定の人が多く喋りすぎないようにする)調整役です。
グループインタビューのメリットは、他の参加者の発言を聞いて、「そう言えば、自分もそうだ」とか「自分もこんなことがあった」などと参加者同士の刺激で記憶が掘り起こされることです。ただし、特定の人の意見に引っ張られすぎないようにうまくバランスを取ることは、モデレーターの大切な役目です。
あくまでも、グループインタビューの主役は調査対象者(1グループあたり5~6人)です。司会者ではなく、わざわざモデレーターと呼ぶのは、調査対象者を支えて補助する役割を担っているからだと言えます。もちろん、モデレーターの最大の役割は、「依頼者の目的に沿って参加者から発言を引き出すこと」です。そのためには、依頼者の業界やサービス・商品内容について精通し、依頼者の意図を的確に汲み取る必要がありますし、参加者の深層心理に踏み込み発言を引き出す高度なコミュニケーション能力を備えている必要があります。
そのため、モデレーターの良し悪しがグループインタビューの成否に直結します。

2023/2/14

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2022/10/25

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